Statistics and Causal Inference(1986)

May 14, 2022

ルービンの因果モデルによる統計的因果推定では、群\(U\)の要素を\(u\), 処置を\(t\), \(c\), \(Y\)を潜在的結果変数とすると、\(u\)に対して処置\(c\)を適用するときの処置\(t\)の因果効果を、\(T = Y_t(u) - Y_c(u)\)とみなす。 たとえば、\(u\)を人、\(t\), \(c\)を運動をする、しない、\(Y\)をコレステロールの値とすれば、運動とコレステロール値の関係になる。 おなじ\(u\)に対して\(Y_t(u)\)と\(Y_c(u)\)を両方観測することはできない。 因果効果は、観測するものではなく、推定するものになる。

\(S\)を群の要素から処置への写像とすると、\(E(Y_t)\)や\(E(Y_u)\)を2つとも測定することはできないが、 $$ E(Y_s\mid S=t) = E(Y_t \mid S=t) $$ $$ E(Y_s\mid S=c) = E(Y_c \mid S=c) $$ をもとめることはできる。 ところで、\(S\)が\(u\)にたいして無作為に写像する処置を選ぶのであれば、\(S\)は\(Y_t, Y_c\)に対して独立になり $$ E(Y_t)=E(Y_t \mid S=t) $$ $$ E(Y_c)=E(Y_c \mid S=c) $$ がなりたち、平均因果効果\(T\)を $$ T=E(Y_S\mid S=t) - E(Y_S \mid S = c) $$ によって求めることができる。 ここで、上の式の右辺を\(T_{PF}\)とおく。

次に、群\(U\)における各の\(u\)において因果効果が等しい場合、任意の\(u\)について $$ T = Y_t(u) - Y_c(u) $$ になる。 このとき、 $$ \begin{align} Y_t(u) &= Y_c(u) + T \\ E(Y_t\mid S= t) &= T + E(Y_c \mid S=t) \\ T_{PF} &= T + \{E(Y_c\mid S=t) - E(Y_c \mid S=c)\} \end{align} $$ が成立する。 通常、括弧の中は先にのべたように\(S\)が独立でなければ0にならない。

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