The End of an Architectural Era (It's Time for a Complete Rewrite)
May 29, 2021発表時期は2007年で、RDBMSの源流であるSystem Rが開発された70年代からハードウェアの性能や価格が変わったことを背景に、RDMSのアーキテクチャを既存技術の延長ではなく抜本から刷新し、いわゆるNoSQLを開発する必要性を主張している。 第一著者のMichael Stonebrakerは、後の2011年に今日全てのデータベースの要件をRDMSだけでは満たすことができないと主張する論文“One Size Fits All”を出している。 表題の論文では、OLTPに特化したデータベースH-Storeを実装し、TPC-Cをベンチマークとして商用データベースと比較したところ、H-Storeの方が82倍高速だった。
OLTPの分野でRDBMSの処理性能を大きく超えるための要件が5つあげられている。 うち2つはメモリとスレッドについてのもので、OLTPのデータベースに格納されるデータ量の少なさとトランザクションの処理の短さに着目している。 メモリにレコードのデータを載せきり、トランザクションをシングルスレッドで実行することを提案した。 トランザクションの時間が短いため、マルチスレッドで並行実行するオーバーヘッドが処理時間をかえって長くすると考えられている。 また、シェアードナッシングや、ダウンタイムなしのアップグレードだけでなく災害復旧も考えられた高可用性や、自動でパラメタを調整しチューニングする機能も求めている。
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